アメリカのカードストアでトレードが合法な理由 トレード事情や方法も解説 なぜ日本は禁止?

はじめに

アメリカのカードショップではお客さん同士のカードのトレードを禁止しておらずむしろお店がホストになってトレードを行っているお店もあります。

この記事ではアメリカでのトレードの方法や実際にお店を経営している方にインタビューしてなぜ日本と考え方が違うのかを解説していきます。

なぜ日本のカードショップでは禁止?

お店の賃料を払って営業しているのにそこで集まってトレードや売買されてしまうとお店でカードが売れなくなって商売に影響が出るからとう理由で禁止にしているショップが多いようです。

カードショップの中で自分がお店を開くようなものなで容認できないという理由は十分理解できます。
例えるならKFCの店内で自作のフライドチキンを売るようなものですかね笑

MTG・ポケカで有名な晴れる屋さんが以下の動画でもトレードが禁止な理由を説明してします。

アメリカでのトレードの方法

アメリカでは多くのカードショップが独自のDiscordのサーバーを持っておりそこでコミュニティが形成されています。

サーバー内のMTGだけでなくポケカ、ボードゲーム などのイベントの告知、雑談、トレードなどがDiscordを通して行われています。

お店によってはDiscordがないとイベントに参加できない場合もあります。お店のチャンネルに依存しますがMTGなどはフォーマットなどを細かく分けてチャンネルを管理しているお店もあります。

Discordとは

知らない方のために説明するとDiscordはコミュニケーションプラットフォームで、テキスト、音声、ビデオ通話を含む様々な形式で友人やグループと交流することができます。

イメージしやすくするとDiscordのサーバーはLINEのグループチャットのようなものです。

そのグループチャットの中にさらに細かい部屋(チャンネル)を作成することができます。

こんな感じでチャンネル内ではトレード募集が毎日のように行われています。

トレードする人はオンラインのカードバインダーを作成するとスムーズになります。

MoxFieldなどで作成してリストを見せてトレードしている人が多いです。欲しいカード一覧リストも一緒に作っておくとさらに便利です。

オンラインバインダー

実際のトレードのやり取り例

LF (Looking forの略)
4 Mana confluence (マナの合流点)
2 Steam vents (蒸気孔)

I have 1 Mana confluence and 2 Steam Vents
(マナの合流点1枚と蒸気孔2枚ならあるよ。)

Do you have something you are looking for?
Here is my binder https://www.xxxxxxxx.com
(何か探してるカードある?これ俺のバインダーのリンクね)

I want 2 Sheoldred but I don’t think the price is enough. Let me know if you have something from my binder. https://www.xxxxxxxx.com
(シェオルドレッド2枚欲しいけど価格的に足りないからもし俺のバインダーで欲しいカードあったら教えて)

If you can give me 2 The Wandering Emperor, I can trade. (放浪皇を2枚足してくれたら交換できるよ)

Fine by me. (いいよ)

こんな感じでトレードが決まったら会う日程を決めてお店に行きます。たまにドタキャンされることもありますがその時は諦めてリスケするしかないです笑

トレードの内容的に金銭的な差がある場合は相手のバインダーのカードを足したりこちらのバインダーを見せて差額を埋めて交換するなんて事も頻繁にあります。

実際に会うにしても顔が分からないと不便しそうですが、店員さんが大体お客さんの顔と名前は把握しているのでお店に到着したら店員さんに「今日は◯◯◯さんとトレードで店に来ました」と伝えればその人を紹介してくれます。

店の人にトレードOKの理由をインタビューしてみた

よく行くカードショップのマネージャーのAdamさん(仮名)にアメリカのカードショップはなぜトレードを容認している所が多いか聞いてみた。

日本だと殆どのカドショがトレードを禁止にしているんだけどなぜアメリカではOKなお店が多いんですかね?

他の店のことは分からないがウチの店の場合だとトレードしに客同士が店に集まってくれるとそこから店でついでに買い物してくれたりするから結果的にプラスになるんだよ。

でもAdamさんのお店はシングルカードも扱ってるから客同士でトレードしてカードを回していたら売上に影響しないんですか?

それは無いとは言えないがさっきも言ったように店に来ることで他の商品を購入してくれたりもするし、特に推奨しているわけではないが有難い事に常連客はまず店に在庫がないか確認して無ければトレード募集するようにしてくれる人も多くいるんだ。
何より店に集まってくれてそこから友達を作ったりして界隈が盛り上がってくれ方が結果的に俺達に還元されるんだ。

ウチも数年前からDiscordを導入し始めたが確実に客足は伸びているよ。
個人的にはトレードを禁止した所で友達間では必ずやるしそれなら店がホストになって盛り上げた方が確実にいい効果が得られるよ。

なるほど!先進的で素晴らしい考えですね。
過去にトラブルなどありましたか?

交換したカードが実はプロキシだったてのがあったが当人同士で再交換して解決してもらったことがあったよ。
トレードは個人の責任だから話し合いで解決しなかったら当人同士で訴訟でも何でもすればいい。

インタビューさせて頂いたのはAdamさんの店舗のみですのでアメリカを代表するものではありませんが、とても面白い考え方だと思いました。

常連客にお店で優先して購入する理由をインタビュー

お店よりTCGPLAYERなどの通販の方が安い場合はそちらで購入したりしようとは思わないですか?

子供の頃から通っている店だし色々良くしてくれるから出来る限り店で購入するようにしてるよ。潰れたら困るのは俺たちだしね笑
でも通販の方が圧倒的に安かったり、中々店に行けない時はと通販で買う時も正直あるよ。

でも店に言うと通販の相場に合わせて値下げしてくれたり取り置きしてくれることもあるんだ。

アメリカのカードショップ背景

アメリカは都会と言えど、日本の秋葉原みたいにカードショップが固まっている地域が殆どありません。

故にお客さんは必然的に自分の行きつけの店が決まっています。

顔馴染みが多くいるような店で問題を起こしたら必然的に自分が困るというわけです。

ですのでトレードやイベントでも紳士的に行動している人が多いように思います。

日本でトレードが難しい理由

トレードが日本で禁止されている理由は前述しましたが他にも考えられる要因として以下が考えられます。

特に都会はカードショプが沢山あり、お客さんが店を選べる立場にある:Adamさんが言っていたようにお客さんが店の在庫を確認してからトレード募集してくれたり、ついでにお店の商品をついでに購入してくれる方もいるようですが日本の場合は店が沢山ありアメリカのお客さんのように思い入れや感謝の気持ちがなどがない場合は単純にトレードの場所としてのみ活用されてしまう恐れがあります。

カードの状態が非常に重要:日本のトレカ界隈では少しの凹みや傷も許せないという人も少なくないと思うのであまりトレードには向かないかもしれません。

もちろんDiscordなどでアメリカと同じ形態を取った場合ですと画像でカードの状態も確認できますが、一方でやり取りが煩わしく感じたり実際に現物を確認してトレードを拒否したりする方もいるかもしれません。

勿論、それは個人の自由でありアメリカでも同様の事が起きる可能性はありますが私の経験ではそこまで状態をシビアにこだわる方はアメリカでは見たことがありません。

・問題がると禁止になる:お店でトレードを行うということはトラブルがあった場合、お店の介入して解決を求められる事もあるかもしれません。

日本はポジティブな部分よりもネガティブ部分にフォーカスしがちなので問題があったらすぐに禁止になってしまう可能性があります。

こちらの記事はTwitterを通して沢山の方に読んでいただき反応も頂いたのですが、日本でも地方のカードショップではトレードをOKしているお店が意外とあるようです。

ですがトレードがOKかどうかはお店の店員さんに直接確認するのが一番いいと思います。

最後に

タイトルではアメリカと言っていますが私が知っている地域は主にボストンやNYCですので地域やお店によってはトレードを禁止している可能性もあると思いますが、日本よりはトレードに寛容なのは間違い無いです。

Discordのサーバーを持っているお店が多いので気になる方は気になるお店のサーバーに入って聞いてみたりトレードのチャンネルがあるか探してみるといいと思います。

日本でも実はトレードOKなカードショップがあります。

大阪にあるブラッグフロッグさんというお店です。

大阪に遊びに言った際に立ち寄らせて頂いたのですが、デッキを無料で貸し出ししてくれたり初心者はイベント無料で参加できたりととてもいいお店でした。

HPにもあるようにシャークトレード(不当なトレード行為)のみを禁止しており店員さんに聞いたら相場を調べてくれる神対応。

ブラッグフロッグHP: https://blackfrog.jp/html/page11.html

その他にもTwitterでこの記事に「うちはトレードOKだよ」と反応してくださったカードショップがいくつかありました。

日本でもカードショップ自体が少ない地方の個人店とかはトレードを容認しているお店があるようです。

アメリカのカードショップではトレードをきっかけに仲良くなれたりするので勇気を出してみるといい経験になると思いいます。

Dsicrodで募集しなくてもイベントの日にバインダーを持っていくと皆んなトレードしたり試合の後の雑談で「◯◯余ってたりする?」と聞かれる事もあるので余裕があればバインダーは持参するといいと思います。

対面のトレードの時はマナー的にお互いで通販サイトを元にして相場を確認してそれに合うようにしてトレードしている方が多くいました。

これならばシャークトレードなどが起きる心配もありませんね。
オンラインで募集する際は他のユーザーも見ているのであまりにもおかしい取引は指摘してくれるしれません。

補足しておくとバインダーはコレクションのカードではなく本当に要らない・使わないカードだけを集めた物を用意すると取引がスムーズに行えます。

コレクションだと「場合によっては交換しもいい」という事になると思うので、それよりは相場的には少し損してもいいから要らないカードを欲しいカードと交換したいという方が多いので。

カードのトレードもコレクター品のトレード募集はあまり行われておらず本当にデッキで使用するカードだけをトレード募集する方が多い印象です。

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